数理科学研究科の院試

初めに

 合格しました。周りの友人も皆受かっていて安心しました。

 みんなの記事を読んでいると、自分も控えめな自己アピールをしたくなったので書きます。自己満足100% でお送りします。有益な情報はないです。

 

 あと、口述試験については言及しません。(その気があれば)自分の試験後のツイートから色々ご想像ください。もっとも、内容についてツイートしたことはありません。

 

やったこと(事前準備)

 過去問をあるだけ解いて、わからなかったところを復習するいつものやつです。あと、人に愛想を振りまいて徳パワーを貯めていました。それっぽいツイートをしてOSR値も上げるようにしていました。

 

 過去問は2006~2021 (入学年度でラベル付け)くらいを解きました。16年分くらいですね。仲良い人たちとグループを組んで、半年くらいかけて解きました。もちろん全部やったわけではないです。

 

 A問題は4問2.5時間くらいで、B問題は時間無制限で3問完答する訓練をしました。そこまでやってもAは本番吹き飛んだので、多分努力が足りなかったんでしょうね。

 

 感想としては、Aの必答を毎年しっかり解けるようにしておくことが最重要だと思います。多分それができれば何やっても受かると思います。本人の資質にもよりますが。

 

 B問題は年によって分野ごとの難易度が違いすぎるのでなんとも言えないです。そもそも、勉強していない分野には手が出せないでしょう。自分も、3問解くのもおぼつかないレベルの年もあれば、8問くらい解ける年もありました。しかし、毎年どこかの分野にはとても簡単な問題が出ます。簡単とは定義や初等的な事実を知っていれば苦もなく解けるという意味です。なので、自分は解く分野を限定せず、代数幾何解析全部見て、簡単な問題を探すようにしていました。

 

 この節の最後に、過去問を解きながら感じたことをちゃらっと書いておきます。

 例えば、多様体周りの問題にはセオリーがいくつかあります。幾何学の標準的な装備を持っていれば普通に撃破できるものも多いでしょう。しかし、位相不変量を取り出すときにモース理論が必要になりそう(?)だと思った時があり、そういう知らない理論を使う問題に本番手を出して破滅するのがひたすら怖かったです。

 他にも、Lie 環の標準的な教科書を読んだことがあれば笑顔で解ける数理物理学生向け?の問題もありました。

 可換環論の問題も、正則局所環の判定条件とか中山の補題とかを知っていれば解けるものがいっぱいありました。もちろん、その他の有名事実や多項式環の次数構造に注目させることも多かった気がします。

 ホモロジーの問題はとっつきやすいので最初はよく手を出していましたが、幾何学的直感に頼らずちゃんと書くのは結構大変だと思いました。自分の実力が足りないだけかもしれません。

 しかし、ホモロジーがメインでない位相幾何の問題は簡単なことが多かったように感じます。

 もちろん、人によって得意な分野は違うので、自分と感想が異なる人は多いと思います。

 問題を解くのは好きなので、解いているときはひたすら楽しかったです。

 

本番

A問題

 吹き飛びました。かなりよくない出来だと思います。まあ自分が不調だったんだから大多数は不調だろと思って寝ました。あんまり寝れなかったんですけどね。

 

B問題

 終わった瞬間受かったと思いました。

 ハイライトは幾何専攻のクセに代数しか完答していないところと、第1問の最後を考えているときに脳内の友人が「こういうのは、一般論で上から抑えて最大値は構成だろ」みたいなことを言ってくれたので楽しかったことです。

 

 A,B合わせての結果としては、答えがあっていて、かつ論述も(多少のボロはあっても)あっているのが2-2 という感じでした。

 院試の勉強はここ数年好きだなあと思いながらやってきた数学を振り返れて楽しかったです。大学院には多分行くと思います。良い教育を受けさせて貰ったと学科に感謝しています。